Dropbox…どこからでも便利にアクセス、同期型オンラインストレージ

現在ではUSBメモリの単価も随分下がりましたね。各種イベントのノベルティとして、ロゴ入りのUSBメモリを配っていたりすることもあり、ちょっと驚いたりもします。
そんな訳で、各種データの持ち運びにはUSBメモリを便利に活用している方もたくさんいると思います。サイズも小さく、USBソケットに差し込めばそれだけで利用でき、容量もそこそこのサイズが確保されており、実際とても利便性の高いストレージデバイスですよね。

敢えて一つ、難を挙げるとすればディスクアクセスの速度が遅いこと。
USBメモリに入れて利用できる、Firefoxをはじめとしたブラウザ各種やメーラーGimp等の画像編集ソフト等の様々なポータブルタイプのアプリケーションをUSBメモリに入れて持ち運ぶと、便利は便利なのですが動作が重かったりしませんか?
私は一時期「Portable Firefox」をUSBメモリに入れて利用していました。便利は便利でしたが、快適!といえる程軽快に動作してくれず、かと言って都度HDDにコピーして使うのも何か違うし…と、ちょっと困ったりもしました。

そこで何か良い案はないものか…といろいろ探してみて、「Dropbox」というオンラインストレージサービスを見つけたんですよね。

このDropboxですが、オンラインストレージというよりも正確にはオンライン経由同期サービス、といった雰囲気。
クライアントソフトをインストールすると、HDD内に同期用フォルダが作成されます。この同期用フォルダ内に置いたファイルは、自動的にDropboxのサーバにアップロードされます。
他のPCにクライアントソフトをインストールして、同一のアカウントを設定する事で、Dropboxサーバ内のファイルが自動的にダウンロードされ、同期されます。

PC A・B・Cでそれぞれファイルを作成・削除・変更した場合、その差分が自動的にアップロードされ、同時に (PCがオンラインであれば) 各PCはその変更差分を取得・更新し、全てのPCが常に最新のデータファイルを保持してくれる (同期してくれる) という訳です。
例えばPC Aの電源が落ちている時に、PC Bでファイルの変更をしたとしますね。その場合、PC Aの電源が入った (ネットに繋がった) 時に、Dropboxのサーバを確認し、PC Bでの変更点をPC AがHDDにダウンロードしてくれます。
更に、各ファイルへの変更は履歴として残り、もし過去の時点のデータが必要になった場合は、そのデータを復元することも出来たりもします。バックアップサービスとして利用することも出来るんですね。

USBメモリの様に、外部 (USBメモリ) 内にだけファイルを保持するのではなく、各PC内と外部 (Dropbox) にそれぞれ最新ファイルを保持する、というものなんですね。なので、HDD容量は各PCごとにデータの容量分だけ必要となります。同期フォルダに10MBのデータを保存したら、PC AでもPC Bでも、HDD容量を10MB消費する事になります。USBメモリの様に、そのまま「ストレージ (外部のファイル置き場)」として使用出来る訳ではないので、ご注意下さい。

この「各PCのHDD内に実データが保存される」というのが、今回の私の解決策にぴったりでした。
USBメモリへのアクセス速度より、PCのHDDへのアクセス速度の方が速いので、ポータブルアプリは快適に動作してくれます。
またノートPCにいちいちUSBメモリを挿さなくて良くなったのも、ちょっとした利点です。外出先でノートを開いた時、必要なデータを取り出すのにUSBメモリを挿して、というのはちょっと手間だったんですよね。挿しっぱなしには出来ないのもあり、何かの弾みで落としてしまいそうな怖さもあり。

またネットを利用するものなので、それらしい便利な使い方も出来たりします。
「Public」フォルダ、つまりは公開フォルダにファイルを保存し、データ共有したいユーザーのアカウントを設定すれば、複数のDropboxユーザー間で (Publicフォルダ内のみ) データ共有が可能です。
また、Publicフォルダ内のファイルを右クリックすると、そのファイルの公開URLを作成できます。このURLアドレスは、Dropboxユーザー以外の方もアクセス可能になるので、誰かにファイルを渡したい時にも利用できます。
「宅ファイル便」等の大容量データ受け渡し手段を利用する事が多い方等は、「ファイルを右クリックして公開URL取得」→「メールに記載して送信」という、圧倒的に手軽な方法で利用できるので、かなり便利なんじゃないでしょうか。

そんな便利なDropboxですが、欠点もあります。

まず、クライアントソフトをインストールすることで真価を発揮できるサービスであるということ。
会社等で利用したいと思っても、新しくアプリケーションをインストールすることが出来ない環境であったり、特定のアプリケーションしか起動できない様なセキュリティ設定がされていると、同期が出来ません。
ブラウザからログインすることでファイルのアップロード・ダウンロードができますが、自動的に同期し最新ファイルを保持してくれるDropboxの最大の利点とも言えるべき機能は利用できない訳です。
アプリケーションの起動は可能であるなら、ポータブル版のDropboxというのもあるので、それを試すという手もあります。

次に、当然ですがダウンロード・アップロードは回線速度に左右されるということ。
ExcelやWord等の小さいファイルを作成・更新する時はさほど気にならないのですが、画像や音声ファイル等の容量が大きいものを保存した時、回線速度が遅いとなかなか同期が終わらなかったりします。
また、大量のファイルを一気に保存した際や、新しくPCにクライアントをインストールした際 (既にDropbox内に保存されてるファイルが一気に同期される) 等も、プロバイダやインターネット回線に寄ってはかなり時間が掛かる事が多いですね。

個人のデータ同期の他、前述のWebサービスならではの使い方で共同制作にも活用できます。(分かる方には分かると思いますが、subversionrsyncの良いトコ取りをした様なバージョン管理を、手軽に誰でも使える形で提供しているのでとても便利です)
USBメモリを利用しているのは単純にデータの持ち運びが理由、家と会社とノートPC、の様に使うPCは決まってるよ〜って方には、特にオススメのフリーソフトですよ。